プロフィール

北城 彰 (HOJO AKIRA)

Author:北城 彰 (HOJO AKIRA)
世界の高級茶ブランドHOJO
世界の高級茶ブランドHOJO
中国茶をはじめ、世界中からこだわり抜いて集めた高級茶をエレガントなパッケージで包み、ワールドワイドに展開するブランドとして販売しております。


【Profile】
お茶の産地静岡の某国公立大大学院で食品科学を専攻。お茶や香辛料を初めとする食品の機能性を研究テーマとする。

過去10年スパイスハーブを専門とする上場食品企業に在籍。その間マレーシアペナンに8年間滞在し、スパイス及びその他食品の開発、品質管理、生産技術開発、最終的に工場長を経験。

2005年より起業活動を開始。世界のお茶の中から、安全・高品質で本当に美味しいお茶のみを紹介する為、高級茶だけに特化したブランドを設立。
現在、マレーシアクアラルンプールの直営店とネットショップを経営。

マレーシアと日本の両国に法人を設立:

日本法人:株式会社HOJO

マレーシア法人:HOJO TEA MALAYSIA SDN.BHD.

WEB SHOP: http://hojotea.com/
取り扱い商品カテゴリー:
中国茶紅茶緑茶黄茶白茶烏龍茶・黒茶・工芸茶・フレーバーティー・他

販売予定地域:
日本・東南アジア・オーストラリア・カナダ・アラブ他

茶葉仕入れ先:
中国・台湾・スリランカ・インド・マレーシア・日本他

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高級茶ブランドの設立 -アジアにて起業
香辛料の専門家として10年、そのうち8年をアジアで過ごす。高級茶の新しいあり方を提案すべく、日本とマレーシアで同時起業し、独自のブランドを設立。現地に行き、自分の目で見た生の情報を写真と共に随時公開。
何故ダージリンのファーストフラッシュは緑色をしているのか?

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ダージリンのファーストフラッシュを買い付けました。

実際は先週の段階で内定をだし、茶園でも極めて早い時期に収穫されたDJ5(5番目に生産されたロットを意味する)を買ったのです。但し、未だ最終的な契約書にサインしていないため、いつ何時「忍法手のひら返し」をされるか分かりません。私としても契約書にサインをするまでは不安な日々を送っております。

何故、契約書にサインが出来ないかというと、購入量を最終確認していないからです。実はマレーシアの大きなレストランがダージリンのファーストフラッシュに興味を示しており、彼らの意向を把握した上で最終的な購入量を決定したいのです。ファーストフラッシュはダージリンティの中でも極めて高いため、購入量に関しては非常に気を遣います。

今回は、有名な茶園:リシハットのサンプルも大量に取り寄せました。リシハットはマネージャーも優秀で、茶園は2000m級、有機栽培を実施していると言うこともあり、日本では極めて人気の高い茶園です。事実、リシハットの一番最初に生産されたロット、DJ1はかの有名なL社さんが抑えております。

一番最初に作られたロットがベストかというと、私はそう思いません。一番最初は工場の設備も安定していないし、その年の茶葉の傾向も把握しにくいことから、やや微妙です。しかも、一番標高の高い場所から収穫が開始されるとは限らないため、意外に後のロットの方が良い茶葉だったりもします。私の経験では、DJ3-5位のロットが品質的には安定していて良いように思います。とは言うものの初物好きの日本では、とにかく早い時期に収穫された茶葉に人気が集中するようです。



添付の茶葉はリシハットのものです。まるで緑茶かと思うくらい、色が緑で、私には物足りませんでした。


リシハットの製品は茶葉の形状も綺麗で、本当に素晴らしい品質だと思いました。味も、渋みが殆ど感じられず、まるでジンチョウゲの花を思わせるようなさわやかな香りがしておりました。

しかし、私はリシハットを選びませんでした。リシハットの茶葉は発酵度が極めて浅く、なんだか緑茶みたいだと思いました。中国緑茶でも私が販売している雲峰のように萎凋を強めにして作られるお茶が数多くあります。最近は過度にグリーンに仕上げられたファーストフラッシュが極めて極端に支持され、中国緑茶にそっくりの見た目や香りのするお茶が沢山作られております。

春摘み茶でも、萎凋時間をやや短くし、発酵をじっくりとすれば、物凄くフルーティーでボディのあるお茶が出来ます。しかし、マーケットからのグリーンな茶葉の需要が高まるにつれ、ファーストフラッシュ=グリーンになってしまいました。

因みに、ダージリンファーストフラッシュの茶葉が緑色をしているのは、「春のお茶」だからではありません。春摘み茶でも、普通に加工すれば茶色をした紅茶に仕上がります。春に摘まれたお茶は、マーケットからの要望に応えるべく、極めて長時間の萎凋(茶葉を萎れさせる)が行われます。萎凋により、水分が極めて少なくなった茶葉(30%)は、その後の発酵工程であまり発酵できません。酵素が活性化するためには水分が不可欠だからです。その為、ファーストフラッシュ特有の緑色をした茶葉が出来るのです。ある意味、白茶を揉捻したらダージリンファーストフラッシュのようになるのです。

私が選んだのは2000m級の茶園で収穫された、茶葉をリシハットよりやや強い発酵度で仕上げた茶葉です。萎凋と発酵のバランスにより、花のような香りに加え、フルーティな香りが感じられます。また、非常にこくがあり、飲んだときにうまみすら感じました。早く契約書にサインをし、このロットをおさえなければなりません。但し、別の製品が送られてこないよう、厳重な注意が必要です。お茶の輸入業では常に「忍法手のひら替えし」を意識する必要があるのです。





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タイトル:「日本茶にも萎凋があった?!」
茶葉を萎れさせ、独特のフルーティーな芳香を作り出す工程「萎凋」。
その工程を緑茶の生産に使用するとどんなお茶が出来るのでしょうか?


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【世界の高級茶ブランドHOJO】「中国茶、台湾烏龍茶、紅茶、黄茶、白茶、フレーバー茶」を独自ブランドで販売


 



有機農法の実際

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<お知らせ>

WEBSHOPの開店を今週の土曜日に予定しております。これまでこだわって探し求めたお茶をオンラインで購入頂けるようになります。どうか、ご支援頂けますよう、よろしくお願い致します。現在開店準備中で、「恥ずかしい状態」になっております故、ショップのURLに関しては開店直前にお知らせ致します。




世の中でも一般的になりつつある有機食品ですが、実際、有機農法ではどの様な取り組みにより運営されているのか、ダージリンの有機農園を例に説明したいと思います。

今回、私がダージリンティを購入した農園は徹底した有機栽培を実践しており、ドイツの認証機関から有機認証を受けておりました。

有機農園=化学肥料や農薬を使わないと言うことではありません。有機農園では、肥料も農薬も基本的には自分たちの土地に生えている植物を使い、自分たちで生産しております。例えば、肥料ですが、「牛の糞」を使っていれば、有機農法と考える人もおりますが、実はそうではありません。実際の所、牛が何を食べているか全く分かりません。もしかしたら、農薬がたくさんかかった草を食べたかもしれません。その場合、当然それら化学物質は糞にも残留し、それが肥料として散布された場合、お茶に吸収されてしまいます。

勿論、有機栽培区域内で飼育された牛の糞は、「素性が分かっている」為、使用することが出来ます。同様の考え方に基づくと、外部から入手した肥料及び農薬は、それらが完全な有機栽培品であることが証明されない限り使用が出来ません。

実際は外部に「仕入れ」を頼るのは現実的でなく、有機農園の経営者としても、外部由来品を使用していたのでは何時有機認証を取り消されるか分からず、不安でなりません。それ故、有機茶園では、肥料も、農薬も全て自分たちで生産をするのが一般的です。

 

私が農園を訪れた際、農園のマネージャ−は、お茶のことより、自分たちがどれだけ苦労して虫対策や肥料対策を行っているか、それについて非常に熱く語ってくれました。

私たちは、ジープにさんざん揺られ、山を登りました。ジープの揺れは凄まじく、未だギックリ腰が治りかけの私にはとても辛かったのです。でも、暫く走った先にはきっと美しい農園があるのだろうと思い、私はワクワクしておりました。ところが・・・

ようやく辿り着いた先には、堆肥と、なにやら見たことがあるような無いようなハーブ類が生い茂っているだけです。マネージャーは、農園を荒らす虫対策にはどの様なハーブが良いのだとか、どうやって堆肥を作っているとか、次から次へと説明してくれたのです。

有機栽培における最も重要なコンセプトは、Live or let Dieではなく、Live or Leaveだそうです。つまり、ウンカのように共生するか、そうでなければ、「去ってください」と言うことなのです。「害虫には、死んで頂きましょう」と言うのが従来の農業の考え方でしたが、有機農法では、害虫が嫌いな苦い植物の汁や、虫の嫌がるハーブのエキスをかける事で、害虫が嫌がって茶園に近づかないようにします。

その為、農園のあちらこちらには、様々なハーブ類が作られておりました。意外だったのは、「このハーブもよく効くんですよ」と言って見せてくれた植物の1つは、日本の「ヨモギ」そのものでした。

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このハーブは噛むととても苦く、虫除けになるそうです。

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同様のハーブが至る所に植わっておりました。

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新しく植樹された茶園の間には、やはり虫除け薬を作るためのハーブがありました。

ハーブ類は定期的に刈り取られ、裁断機で裁断した後、水の中に2週間近く漬けておくそうです。暫くすると、ハーブ類は徐々に分解され、成分が水に溶け出してきます。それらを濾過したものが農薬として散布されます。勿論、これら「農薬」では虫は死にません。虫たちは逃げていくだけです。日本における蚊取り線香と同じ原理ですね。

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茶園に沿って延々とレモングラスが栽培されておりました。ある程度伸びた時点で先端を刈り取り、虫除け薬を製造するそうです。

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同じく、レモングラスです。

肥料づくりも一筋縄ではいきません。草やシーズンオフの茶を刈り取り、それらを裁断した後、堆積し、毎日のように散水するそうです。散水することで、カビや放線菌を初めとする微生物が増殖し、プーアル茶の如く、発酵していきます。発酵が進むと、草は堆肥となります。

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このような装置で刈り取った草を細かく裁断します。


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未だ積み上げられたばかりの草。散水を繰り返すことで、発酵を促し、堆肥にするのです。

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堆肥は子供たちの遊び場とかしておりました。道路はご覧の通り、石畳です。この上をジープで走ると本当に揺れます。

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これは既に発酵が十分に進んだ堆肥です。

今夏の視察で、有機農園の苦労が本当に分かりました。お茶を作る以前に、肥料や農薬を自分たちで生産しなければならず、その為の作業の大変さが本当に良く伝わってきました。

実際、ダージリン地区では、長年に及ぶ農園経営により生態系が壊滅的に破壊されているそうです。お年寄りが言うには、彼らが子供の頃は、ダージリンの川には大量の魚が泳ぎ、森には色とりどりの鳥や、野生動物がいたそうです。

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野生のインコの群れ。凄く奇麗でした。

ところが、それら失われた生態系が、もどりつつあるそうです。広大なエステート規模でのバイオ農法を導入することで、食物連鎖が丸ごと保護され、徐々に野生動物の数、種類が増え始めているそうです。事実、私が農園の周りを散歩していたところ、大量の野生のインコの群れに遭遇しました。野生のインコは、有機農園地区にのみ居着いているそうです。

私たちがダージリンの有機栽培茶を買うことが、間接的にダージリンの生態系保護につながっているかと思うと、少し嬉しい気がします。将来、毎年ダージリンに行く予定ですが、野生動物が徐々に増えていくことを楽しみにしております。

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驚き!カルカッタの市内
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ご存じの通り、インドは長いことイギリスによる植民地支配を受けてきました。ビクトリア女王が王位についていた頃、大英帝国は全盛期を迎えておりました。当時のイギリスでは、植民地に近代的な農業経営、ロジスティクス、インフラストラクチャーを導入し、お茶を初めとする貴重な嗜好品の一大調達基地へと作り上げたのです。

当時のイギリスによるインド支配の中心地は、カルカッタでした。カルカッタには、当時イギリスの中枢として使用されていた、まるでホワイトハウスのような巨大な建物が残っております。

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ビクトリア女王の栄華を今に伝えるビクトリアメモリアル。タジマハールを意識して作られたそうですが、年月が経つにつれ、ビクトリアメモリアルはやや黒ずんでおり、真っ白なタジマハールには至っておりません。

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ビクトリア女王の銅像がありました。物凄く恐ろしいおばさんだったのでしょうね・・ 銅像にもかかわらず、彼女の恐ろしさが表情に表れております。

この他にも、カルカッタ市内の主要な建物という建物は、当時イギリスが建てた建築物がそのまま残っております。早朝のカルカッタ市内を車で走ると、まるでヨーロッパにいるかのような錯覚すらします。

これらは本当に息をのむように美しく、インド政府もそれら建築物が観光資源として価値があるということを徐々に認識し始めているようです。ただ、インドの町中は荒れにあれておりました。ホテルから一歩外に出ると、お金をたかる人が次々と現れては、後をついてきます。例えば、子供を連れた「女性がこの子のミルクを買うお金を下さい。」と言ってついてきます。ふと見たら、何と子供はビスケットを食べております。この女性は猛烈にしつこく、私を5分以上つけ回しました。これらの女性にお金を渡した場合、その他大勢が一斉にたかって来るそうです。

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 Cathedral教会です。このような精悍な建物がカルカッタ市内にはごく普通に見られます。インド人たちも子供の頃から見ているため全然珍しいとも思わず、説明すらありませんでした。私が、「ちょっと待って」と言って車を止めて貰い、写真撮影をしました。

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塔の周りを鳥がまっており非常に幻想的な雰囲気でした。私は色んな国に行ってもあまり建物には興味がない方なのですが、カルカッタの膨大な建物群には流石に驚き、それらの美しさは尋常ではありませんでした。

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ダージリンの丘の上にあった教会

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橋の下にもなにやら記念の建物が建っておりました。

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プラネタリウムです。カルカッタにおける、政府・文化に関係する建物の殆どが歴史的な建物です。このプラネタリウムも未だに使われております。

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NEW MARKETとです。マーケットですらこの凄さです。

私がインドで感じたことは、極めてインフラストラクチャーが整備されていないという点でした。インドが今後発展していく上で、最も必要なのは、交通・通信・ロジスティクスの整備ではないかと思います。インドで現在使用されているインフラは全てイギリス植民地時代に作られたものばかりです。が今後、発展する上で、インド政府自身によるインフラの再構築とそれを運営するためのルールの制定が大きな課題だと思いました。

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ダージリン冬茶
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ダージリンというと、2nd flushのマスカテルフレーバーが何かと取りざたされますが、実は秋摘みのお茶がすごく美味しい事をご存じでしょうか?

秋(ダージリンではオータムナルと呼ばれる)と一言で言っても、秋のお茶の収穫は9月から始まり12月まで続きます。これを読むと、あれ?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。台湾では11月12月に収穫された茶葉は冬茶と呼ばれ、1年で最も高級な茶葉として流通します。ダージリンには冬茶はないのでしょうか?ヒマラヤの裾に位置するダージリンは当然11-12月と言えば冬です。私がダージリンを訪れた11月の終わりともなれば、朝夕の気温は5℃前後となり、ストーブ無しでは過ごせません。

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写真:この時期のダージリンは「インド人も真っ青?!」の寒さでした。カルカッタから同行したインド人の二人組は、寒さのあまり暖炉の前から1歩も離れられなくなっておりました。

何故、ダージリンには冬茶と言うカテゴリーがないのでしょうか?もしかすると、枝を落とす時期が元々早く、それ故に冬に収穫するという文化そのものがなかったのかもしれません。

実際はダージリンティの収穫は12月の初めまで続きます。この時期のお茶は、同じオータムナルでも「いわゆるオータムナル」とは全く異なる性質になります。

日本でも秋の終わりになると雨が少なくなり、温度が下がります。植物は紅葉し、最終的には落葉します。紅葉という現象には植物ホルモンが関与しております。お茶は椿と同じ常緑樹です。そのため、紅葉や落葉はしません。でも、それは見た目(外観)だけの事で、実際内部では冬に備えて様々な「変化」が起きています。その為、この時期の茶葉を使ってお茶を作ると、甘い香りがとても強くなり、また、味に関してもコク味が増します。

 

更に、冬直前、その年の最後に発芽する芽は、春摘み茶とそっくりの新茶の性質(やわらかく美味しい)を有することで知られております。日本ではあまり知名度は高くありませんが、本当は9月の終わり頃、最後に出てきた芽で作ったお茶は非常に美味しいお茶になるのです。

 

台湾の冬茶が大変高価なのは以上の理由と全く同じです。春の芽と同じく新茶の性質を有し、それに加え、「乾燥」「低温」という環境のストレスにより、春茶にはない、強い香りが感じられるからなのです。

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工場でのテースティング風景

 

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今回購入したお茶の一つ

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晩秋の最後の芽から作られたお茶は、まるで紅葉した落ち葉のように美しく輝いておりました。写真のポットは鑑定用の標準カップです。 

 

私が先日、冬直前のダージリンに行ったのは実はこのダージリン冬茶(Autumnal Late Harvest)を入手するためでした。ダージリンの晩秋になると、クローナルと呼ばれる中葉種の香りが特に目立って良くなります。

様々なお茶を試飲することで、最終的に4種類の有機茶を購入しました。勿論、4種類のお茶を売るわけではありません。これからをブレンドすることで味と香りのバランスのとれたオリジナルのお茶を作るのです。ブレンドのノウハウも、ブログで紹介したいところですが、そればかりはノウハウなので、ひ・み・つです。

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本場のチャイ
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WEBショップのオ−プンが近づき、今日は、お勧め商品の紹介をしようと思ったのですが、気がつけば真夜中になっておりました。

そんなわけで、予定を急遽変更し、ミニネタ:「インドで飲んだチャイ」について説明します。

インドでは、街の至る所にチャイ屋さんがありました。チャイとは本来お茶のことです。因みに、インドのベンガル語ではお茶のことを「チャ」とも言います。ただ、インドの町中でチャイと言えば、ミルクティーをさします。

店は日本のたばこ屋のような店構えで、早朝からオープンしております。私はダージリンから戻ってきた日の早朝にチャイ屋さんを訪れたのですが、次から次へと車がやってきては、チャイをオーダーしておりました。朝、仕事の前にチャイを一飲みするのが、スタイルのようで、金持ち貧乏人に関係なく、同じ店にやってきてはチャイを注文しておりました。

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私が行動を共にしていたインド人も、ほのぼのとチャイを飲んでおりました。

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チャイ屋さんです。少年が注文をとっておりました。

チャイは、アッサムティーを原料に作られます。近年では、CTCと呼ばれるプロセスを極めて単純化した方法により紅茶が作られ、それらがチャイの原料として主に使用されております。

チャイは土で出来たカップ、つまり土器に入れて渡されます。一杯、10円以下の非常に安い飲み物なのです。にもかかわらず、最高に美味しく、何杯もお代わりしたい気分でした。ダージリンからの夜行電車での旅は大変きつく、体中がボロボロになっていたのですが、チャイを飲んだ瞬間に身体が生き返った気分がしました。

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 辺り一面に、投げ捨てられた土器が散乱しておりました。

面白いのは、飲み終わった容器はそのまま地面に投げつけ、割ります。地面を見ると、沢山の土器が割れており、それを掃除のおじさんがスコップでかき集めておりました。

インド人は本当にお茶が好きです。今でこそ、インド国内の主なお茶需要は安価なお茶に集中しておりますが、今後経済の発展と共に、ダージリン等の高級紅茶の需要が高まり、この先10年内には、ダージリンティーの殆どがインド国内で消費される時代が来ると予測されております。そうなると、ダージリンティの入手が大変困難になります。今から、茶園と良い関係を築いておかないといけませんね。

 



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マスカテルのもう一つの秘密
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マスカテルフレーバーの秘密は、ウンカだけではありません。

実は今回、エステートのマネージャーが教えてくれたもう一つの秘密があります。

 

それは、Thirips(ティリップス)と呼ばれるとても小さな虫です。この虫に噛まれた茶葉は、ウンカに噛まれた場合と同じく、黄色く変色し、表面がでこぼこになります。ティリップスは茶の柔らかい部分を好んで食べるため、花や芽の部分に多く見られます。6月のウンカの発生時期には、茶園はティリップスで一杯になるそうです。マスカテルフレーバーが特に強い場所などは、茶園を歩いただけで、ティリップスが体中に付着する位いるそうです。

今回、特別にティリップスを見せてくれるとのことで、茶園に同行しました。今の時期は非常に寒いため、茶の表面にティリップスを見つけることは出来ません。テリップスは芽や花の中に隠れているのです。マネージャーは少し黄色く変色した、芽や花を次々と採集し、分解し始めました。「いたいた!」と言うので、見たのですが、何も見えません。「どれどれ?」と言って、よく見ると、物凄く小さな虫がいました。ウンカのように美しい、妖精のような姿ではなく、どちらかというと、「ミニはさみ虫」と言った形状をしておりました。

不思議な物で、お茶はどの昆虫の攻撃に対しても黄色く変色するわけではなく、ウンカとティリップスの2種類にのみ、反応をするそうです。その他の虫が汁を吸った場合、茶色く変色し葉枯れの原因になるそうです。

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葉の付け根に付いている埃みたいなのがティリップスです。

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ティリップスにより黄色く変色した芽

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花びらを開くと、ティリップスがおりました。

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実は他にも、お茶が良い香りを作り出す秘密があります。それは環境ストレス、つまり、過激な環境下で生育すればするほど、お茶は頑張って生き抜こうとするがあまり、特殊なフレーバーを作り出します。

キャッスルトンが良いお茶を作り出す理由は、その土地柄にあります。実は、キャッスルトンの茶園は非常に石ころが多く、土地が全然肥えておりません。石が多い土地はお茶にとって、非常に住み心地の悪い環境なのです。このような土地で育ったお茶は、全体的に黄色っぽい葉になります。(前回のブログの写真をご参照下さい。茶葉が全体的に黄色いのが分かりますか?)そして、とても甘い香りの成分を作り出すのです。マスカテルフレーバーとは別の種類の甘〜い香りです。かの有名な福建省の武夷岩茶も同じ事です。武夷山は沢山の岩に覆われており、ゆえに茶木は栄養素が十分に得られず、大変なストレスを感じながら生きております。このストレスがとても優れた味や香りを作り出すのです。武夷岩茶が高いのも納得ですね。

 

実は、同様のことが有機栽培茶にも言えます。有機栽培のお茶は、栄養が少なく、また、常に虫の攻撃にさらわれております。これら有機栽培のお茶は、過保護に育てられたお茶と比べ非常に優れた香りを作り出します。但し、有機栽培にすることで生産量は3分の1位まで減少します。

 

この他に、雨の良く降る時期、降らない時期も同様の関係にあります。また、寒い時期になればなるほど美味しいお茶が作られます。

これら環境ストレスと品質との関係を良く把握することで、良質なダージリンティは何時何処で入手出来るかと言うことが見えてきます。次回のブログでは、今回私が買い付けた「オータムナル Late Harvest」の特徴に関して説明します。冬直前の非常に寒く、雨が殆ど降らない時期に、有機茶園で作られた本製品がどの様な品質的特徴を持つのか説明したいと思います。いわゆる、ダージリンオータムナルとは全く異なります。

 



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マスカテルフレーバーの秘密

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ダージリンと言えば、今では非常に有名なのが夏摘み(2nd Flush)のマスカテルフレーバーです。マスカテルフレーバーとは熟したマスカット(ブドウ)のような香りのことです。私の個人的な意見では、マスカットと言うよりも、熟したマンゴのような香りに感じます。

何故、ダージリンの2nd Flushにのみマスカテルフレーバーがあるのでしょうか。また、何故、まるでフルーツのような香りが生成されるのでしょうか?

マスカット系のフレーバーと言えば、台湾の東方美人にも同じような香りがあります。東方美人の場合、ウンカに噛まれた茶葉のみを使用して作られます。詳しくは以前のブログをご参照下さい。

ダージリンのマスカテルフレーバーを一番最初に紹介したのは、キャッスルトンという農園でした。日本でも非常に馴染みの深いこの農園は、1500m前後の標高に位置しており、ダージリンの街の直ぐ近くにあります。

実は、マスカテルフレーバーが紹介されたのは、割と最近の事で、その昔イギリスがダージリンティーに夢中になっていた頃には、そのような概念はありませんでした。事実、マスカテルフレーバーに夢中になっているのは、日本だけのようです。ヨーロッパでは肉食文化の影響もあり、どちらかというとボディの強いお茶、或いは、渋みの強いお茶の方が好まれるようです。確かに、油っぽい肉を食べた後のマスカテルフレーバーは余り心地良くありません。

 

今回ティーエステートで様々な研修を受けたのですが、マスカテルフレーバーに関してもあっさりと教えてくれました。ダージリンのマスカテルフレーバーも実はウンカにより作り出されます。ダージリン地方では、ウンカのことをGreen Flyと呼んでおります。ウンカが飛び回る様子は確かにハエのように見えます。

茶園に連れて行ってもらい、ウンカを探したところ、見つけました。台湾のウンカと、全く同じ種類でした。動きも、サイズも、色も、何もかも100%同じです。

何故、2ndフラッシュにのみマスカテルフレーバーがあるのかというと、5月はダージリン地方では雨期になります。6月になると激しい雨がやみ、時同じくしてウンカが大量発生します。大量に発生したウンカは、茶葉の柔らかい部分から汁を吸います。汁を吸われた茶葉は、黄色く変色し、その部分だけを摘み取って加工すると、おなじみのマスカテルフレーバーが出来るのです。ウンカとマスカテルフレーバー発生の関係に関しては、以前のブログに書いたとおりです。虫により攻撃を受けた茶葉は、それに対抗するため、或いは治癒するために人間の抗体に当たる物質(ファイトアレキシン)を作り出しますが、これらが香りの正体ではないかと私は考えております。


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真ん中の枝にとまっているのがウンカです。


最近ではキャッスルトンだけでなく、多くの農園で同等或いはそれ以上のマスカテルフレーバーを作り出すようになりました。但し、ウンカはそれぞれの茶園の何処にでもいるわけではなく、極一部の場所にしか現れません。茶園のマネージャーはその場所を良く把握し、そこから収穫された茶葉に関しては、「特別扱い」をしなければなりません。普通の茶葉と同じように加工したのでは、十分にそのメリットを生かし切ることが出来ません。ウンカに噛まれた茶葉は普通の茶葉と比べ、水分量も少なく、故に萎凋時間や発酵時間に関し、特殊な調節をしなければなりません。

ウンカですが、渡り鳥のように遠くから飛んでくるわけではありません。彼らはダージリンの土地にて卵を産み、6月になると羽化して、茶葉の汁を吸います。ウンカに確実に羽化してもらうためには、やはりマネージャーの知識が大切になります。マネージャーはウンカ保護区(私が勝手にそう呼んでいる。)の土壌の取り扱いには特に気を付けねばなりません。通常の茶園の場合、冬場には土地を掘り起こし、肥料の散布を行います。ところが、ウンカ保護区の場合、冬に土地を掘り起こしてしまうとウンカの卵が寒さや乾燥で死滅してしまい、春になっても羽化しなくなります。土だけでなく、茶園の間に生えている雑草に関しても刈り取ってはならないそうです。茶園ではマスカテルフレーバーを作り出すために、ウンカにとって最高の生活環境を提供しないといけません。

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ウンカ保護区では、雑草が生い茂っております。これもマスカテルフレーバーを作り出すための「管理」なのです。

 

実は、ダージリンティのマスカテルフレーバーにはウンカ以外にも秘密があることが分かりました。続きは次回・・

 

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