工芸茶には様々な種類がありますが、紅茶から作られた工芸茶は非常に希です。基本的に、紅茶から作った場合、水色が茶系になることから、ベースとなる紅茶の選択を誤った場合、色が出過ぎて肝心の茶葉が見えなくなってしまいます。
今回紹介する工芸茶は、紅牡丹と呼ばれる安徽省産のお茶です。安徽省と言えば、キームン。キームンは紅茶の産地として世界的に有名です。キームン紅茶はインドのダージリンとスリランカのウバと並び世界の3大紅茶の一つです。イギリスに古くから輸出され、イギリス王室御用達のお茶でもあります。キームン紅茶はまた、世界で最も歴史の古い紅茶でもあります。
「その昔、緑茶を輸出したところ、長い船旅の間にお茶が発酵し、茶色くなったのが紅茶の始まり」という物語がありますが、これらは全て嘘です。紅茶はれっきとした中国茶の一つとして、イギリス人が紅茶を飲むようになる遙か昔から生産されておりました。現在でこそイギリス人は好んで紅茶を飲みますが、その昔は緑茶を輸入していたそうです。
  写真;紅牡丹の裏表の写真。金の芽がメッシュのように入っているのが特徴。
前置きが長くなりましたが、この紅牡丹はキームン紅茶を用いて作られております。但し、キームンと言っても、普通のグレードでは牡丹を形成する茶葉の長さや、強度が足らず、工芸茶を製作することが出来ません。何よりも茶色と金色の茶葉のコントラストが美しさの要素でもあります。その為、紅牡丹にはキームン毛峰(Mao Feng)と呼ばれる特殊且つ高級なグレードが使用されております。キームン毛峰は高級なお茶で、日本でも入手が非常に難しいお茶の一つです。(このお茶については後日更に詳しく解説いたします。)
  写真:Keemun Mao Feng: キームン紅茶の中でも最高級グレードの1つ(キームン紅茶には幾つかの種類がある。)芯の部分を多く用いているために、金色の茶葉(ゴールデンチップ)が多く見られる。
使われている茶葉のグレードがグレードなだけに、見た目だけでなく、味も香りも超一流なのが紅牡丹の凄いところです。
お茶を煎れた際の写真も撮りたかったのですが、適切なグラスが見つかりませんでした。実際に花開いた写真は後日掲載いたします。
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