私の経歴や立場は、他のお茶屋さんとはやや異なっており、それゆえにと言うわけではありませんが、最近色んな事が分かってきました。
何が異なっているかというと:
1)高級茶=つまり美味しいお茶のみに的を絞っているため、お茶にしても、淹れ方にしても、茶器にしても、使用する水にしても、それぞれに関してとことんこだわる必用があります。(お茶とワインはお互い良く例えられますが、ワインの場合、同じ銘柄で有れば誰が飲んでも同じ味が感じられます。お茶の場合、上記要因により、まったく異なる味になってしまうわけです。)
2)中国茶とか、台湾茶、日本茶のように一つの生産国に限定しておらず、自分が美味しいと思うお茶を様々な国から輸入しております。このため、お茶に限らず、茶器、淹れ方に至るまで、それぞれの国やお茶事の方法に触れ、それらを相互に比較する機会に恵まれます。これにより、文化的な背景を抜きにして、原理原則に基づき物事が見られます。
3)私は食品科学・工学を専門としてきました。世の中、食品科学や食品工学を専門とする人は通常お茶屋をやりません。そのような人は、一般に上場企業の技術職への就職が多いのが実情です。このため、お茶の世界では、「作り話」「言い伝え」「デマ」「伝説」がさも当たり前のように語り伝えられており、論理的・科学的な見地からの筋の通った説明が少ないのが実情です。
以上の3つの特異的な立場の基から、お茶に関する様々な「神話」を観察すると、誤りや、誤認識が多いことに気がつきます。
中国出張までまだ暫く日にちがあるため、今後数回に分け、お茶の世界の常識非常識を私の視点から検証し、紹介して行きたいと思います。
まずは、
「お茶は歴史的に、まったく副作用のない安全な飲み物」と言う話を良く聞きます。
「お茶の副作用はカフェインのみ。多くの科学者がお茶が健康に悪い影響を与えることを証明しようとしたが出来なかった。」という話も聞いたことがあります。
でも、お茶に従事していると、一日に何十人もの「お茶を飲む人」と話をし、様々な情報が得られます。
実際、お茶にも副作用が有るようです。お茶を売っているのに、何を言っているのかと言われてしまいますが、事実なのだから仕方がありません。
日本人の間では聞いたことがありませんが、緑茶をまったく受け付けない類の人々が希におります。
マレーシアの中国系に多く、少しでも飲むと、心拍数が急上昇し、息切れがするとか、背中及び肩の部分の痛みを訴える人もおります。どの様なメカニズムでそのようなことになるのかは分かりませんが、類似の症状を訴えるお客さんが多いのが実情です。日本の緑茶でも中国の緑茶でも副作用の症状は同じようです。
そんなわけで、お客さんに飲んだことのないお茶を勧める際は、最初は一気に大量にのまず、少しずつ様子を見るようにと説明するようにしております。
別のお茶で、プーアル熟茶に関しても、受け付けない人がおります。
この話はよく聞く話で、私自身、沢山飲むことが出来ません。
沢山飲み過ぎると、肩や腕、足の付け根が重くなり、凝りを感じます。発酵茶の場合、含まれている成分が酸化しているため、血液中への吸収が極めて早く、緑茶のようにがぶがぶと沢山飲むことはお勧めしません。発酵度が強いほど、飲む量は控えめにすることが肝要です。
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