海外の企業では社員の突然の離職に割と頻繁に直面します。日本は未だに侍文化が継承されているため、基本は会社への忠誠ですが、海外の企業ではそのような考え方は役員クラスでない限り存在しません。基本的に会社での仕事は自分のステップアップの為の通過点に過ぎません。日本人が会社組織に対して忠誠を尽くすのに対し、海外では自分の上司に対して忠誠を尽くすのが一般的です。つまり、上司から何も得られないと分かったら、例え給料が良くても転職してしまいます。日本のサラリーマンのような会社との精神的な関係と異なり、海外では人と人との繋がりが会社生活の基になっております。従って、会社を退職しても良好な人間関係を維持し続けるのが常であり、過去に勤めた会社で築き上げた人脈を次の仕事に生かすのはごく当たり前の話です。
この文化は起業家にとっては非常に良い面があります。日本の場合、新たに設立された会社などは殆ど相手にしてもらえません。基本的に看板の立派さ、城の大きさが評価の基準となります。しかしながら、海外では個人の能力が直接評価され、初めてであってもアポイントを取るのは簡単です。私がマレーシアを中心とするアジアにて先ずマーケティングを行って行く理由の一つは、商品とサービスが良ければ受け入れられるという文化的背景があるからです。また、前職の頃に付き合いのあった人々、特に中華系の友人から強力なバックアップを受けられるのも海外ならではです。一方、日本ではと言うと、これまで随分親しく付き合っていたにもかかわらず、会社を辞めた瞬間から急に離れていく友人も多く、如何に表面的な付き合いだったかがよく分かりました。アジアの友人は逆に私が独立することを祝福してくれ、多大な協力をしてくれました。
日本経済がバブル崩壊後低迷している理由もその辺にあるのではないかと感じることがあります。看板ばかりが重要視される傾向があるため、実際の社内業務は非常に生産性が下がり、批評・評価がメインの仕事としている人々も少なくありません。彼らの多くがバブル期に就職しており、概して多くの給料を貰っているのが現状だと思います。より高い生産性を生み出すため目標設定をし、頑張らなければならないはずが、言葉遊びや株価遊びが本業になってしまっているのは危険ですね。
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