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北城 彰 (HOJO AKIRA)

Author:北城 彰 (HOJO AKIRA)
世界の高級茶ブランドHOJO
世界の高級茶ブランドHOJO
中国茶をはじめ、世界中からこだわり抜いて集めた高級茶をエレガントなパッケージで包み、ワールドワイドに展開するブランドとして販売しております。


【Profile】
お茶の産地静岡の某国公立大大学院で食品科学を専攻。お茶や香辛料を初めとする食品の機能性を研究テーマとする。

過去10年スパイスハーブを専門とする上場食品企業に在籍。その間マレーシアペナンに8年間滞在し、スパイス及びその他食品の開発、品質管理、生産技術開発、最終的に工場長を経験。

2005年より起業活動を開始。世界のお茶の中から、安全・高品質で本当に美味しいお茶のみを紹介する為、高級茶だけに特化したブランドを設立。
現在、マレーシアクアラルンプールの直営店とネットショップを経営。

マレーシアと日本の両国に法人を設立:

日本法人:株式会社HOJO

マレーシア法人:HOJO TEA MALAYSIA SDN.BHD.

WEB SHOP: http://hojotea.com/
取り扱い商品カテゴリー:
中国茶紅茶緑茶黄茶白茶烏龍茶・黒茶・工芸茶・フレーバーティー・他

販売予定地域:
日本・東南アジア・オーストラリア・カナダ・アラブ他

茶葉仕入れ先:
中国・台湾・スリランカ・インド・マレーシア・日本他

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高級茶ブランドの設立 -アジアにて起業
香辛料の専門家として10年、そのうち8年をアジアで過ごす。高級茶の新しいあり方を提案すべく、日本とマレーシアで同時起業し、独自のブランドを設立。現地に行き、自分の目で見た生の情報を写真と共に随時公開。
常滑朱泥に落胆
【中国茶、台湾烏龍茶、紅茶、黄茶、白茶、フレーバー茶等、高級茶だけに特化したお茶専門店HOJO】


今日ある出来事がありました。

実は、私の顧客の一人で、高級な急須をいつも買って下さるお客さん(中華系)がおります。

丁度、朱泥急須の味への影響を他の客さんに見せていたところ、彼が店にやってきました。
彼にも試飲に参加して貰い、無名異焼を用いることで朱泥が優れている点を理解して貰いました。

実は、彼は、常滑焼:杉江木仙による朱泥急須セットを買いたくて店に来たのでした。
木仙と言えば昭和を代表する常滑の名工、大正5年生まれで轆轤を使わない朱泥の型押し・手ひねり技法で知られた達人です。
木仙氏は常滑の人間国宝である3代目山田常山と同世代で、昔ながらの材料・技法を大切にしていた作家の一人です。
通常、A級の作家の茶器セット(桐箱入り)ともなると、最低ラインが10万円です。木仙氏の場合、既に他界しているため、当然、更に高い値段が付きます。

ただ、この茶器セットを買うにあたり、お客さんは、常滑朱泥と佐渡無名異朱泥の差が知りたいと言いました。私も昔の本格的な常滑朱泥を試したことがなかったので、具体的なお茶への影響を説明することが出来ませんでした。日本では見た目で買われる急須ですが、中国やアジアではその性能を重視する傾向があります。今回も、テストをして朱泥の効果を評価することにしました。

早速、無名異焼と木仙の常滑朱泥をそれぞれ比較しました。
どちらも同じように加熱し、一番分かり易い、高山烏龍茶を全く同条件下にて淹れてみました。

結果

最初に常滑木仙氏の急須で淹れたお茶を飲みました。
その瞬間、「あ!」と思いました。

明らかに温度が低いのです。
無名異焼で淹れた温度に慣れてしまっている私にとって、口にお茶を近づけただけで差に気がつきました。無名異でいれたお茶の温度は高く、香りが強く感じられ、その差は明確でした。


日本を代表する朱泥と言えば、常滑の朱泥と言われており、常滑の朱泥は宜興の朱泥を模倣することで、杉江寿門氏によりその作り方が開発されたと言われております。以前に寿門氏の制作した急須を持ったことがありますが、ずしりと重く、かなり良い土が使われていることが推察されました。
ただ、当時の良い土はもう無くなってしまったのでしょうか?とても興味深いテーマです。

私は今、山田常山窯の急須に最後の期待をしております。
人間国宝の3代目山田常山氏は自分で掘り起こした土を、昔ながらの作り方で精製・熟成し使っており、その土は自分の孫の代まで残してあると聞いたことがあります。
早速、3代目山田常山の孫にあたる、山田想氏の朱泥急須を取り寄せ、実験してみたいと考えております。



IMG_4887aa.jpg杉江木仙氏の茶器セット

IMG_4889a.jpg




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この記事に対するコメント
そうでしょうか?
日々木仙さんの急須でたいへんおいしいお茶を頂いております。(もちろん日本茶です。烏龍茶ではありません。)
家に幾多ある急須の中でなぜかお茶のおいしい急須があるのに気がつき以後ずっと愛用していましたが、つい最近木仙という方の作った急須と教えられて知りちょっと調べていたところです。
木仙の急須は厚みがあり、熱容量が大きいためお湯の温度が比較的低めに保たれるのがその理由のひとつではないかと考えています。
この急須は日本茶を想定してつくったものと思います。かなり手軽にいれてもちゃんとおいしくはいります。
何も落胆することはありません。おいしい烏龍茶を飲みたければ、烏龍茶用に作られた、あるいは熱容量と放熱の小さい、すなわち薄手で丸っこい急須を選べばいいのではないでしょうか。まして無名異焼だから、常滑だからという話では全く無いように思います。
【2009/10/18 22:02】 URL | 芋仙 #CCLnWeq6 [ 編集]

芋仙さん
初めまして。こんにちは。
メッセージ拝読いたしました。

熱容量の問題ですが、これは形状や厚さに起因する部分は少なく、むしろ土の多孔性に依存します。
実際に、同形状で同サイズの急須を比較し、温度低下の度合いを温度計で調べても、明らかに温度は異なります。良い急須は薄くても保温性に優れております。

また、当時この記事を書いた頃は私の知見も限られていたのですが、土からの鉄分の溶出量により、味が大きく変わり、それによる味の改質に関しては、烏龍茶・緑茶問わず、鉄分の溶出量が多いほどフレーバーの強度と相関関係にあり、明らかな味香りの改善を体感できます。

木仙氏を否定するわけではありませんが、彼の朱泥急須にはベンガラという赤色の着色を目的とした鉄分添加が行われております。(天然の朱泥100%では赤色はでません。通常、オレンジになります。)ベンガラが用いられた場合、融点が極めて低いため、低い温度でガラス化が生じ、互いの粒子が結合することで土の構造が、多孔質とほど遠い状態になり、実際にお茶を淹れたさい、素人目にも明らかに違いが分かります。もちろん、朱泥は朱泥なので、他の急須よりも優れた結果が得られるという点については同意いたします。

味というのは非常に主観的な内容なので、説得力に欠けるかもしれませんが、無名異朱泥・萬古焼紫泥をはじめとする良い急須を試される事をお薦めします。百聞は一見にしかずです。
【2009/10/19 01:25】 URL | 北城 彰 (HOJO AKIRA) #- [ 編集]

そうでしたか。納得。
なるほど、そうでしたか。
単に保温性が重要だというならば熱伝導率の低い木やプラスチックの急須がいいという話になりそうですが、そうはなっていないところを見るとさらに重要な要素があるのですね。
特に鉄分が重要だというのは知りませんでした。それでお茶の急須は赤や黒っぽい色がついていたのですね。
木仙さんの急須はお茶の味を考えてのことかどうかはわかりませんけど多目の鉄分が私好みの味を出しているのかもしれないとも思いました。
あまり深く詮索する気もないのでしばらくは気に入った急須でいつもの味をたのしむことにしますが、今後機会があればぜひ無名異焼や萬古焼など他の急須も試してみたいと思います。
ではこれにて失礼します。
【2009/10/20 10:29】 URL | 芋仙 #CCLnWeq6 [ 編集]

芋仙さん >> 追伸
ご丁寧に返信有り難うございました。
急須の味に対する改質効果は鉄瓶のそれと原理は全く同じです。
鉄分が多いほどよいという話になると、「ならば、鉄そのものを急須に加工してしまえば、朱泥よりも良いのでは?」という意見を良く頂きます。

実際、鉄製の容器、或いは鉄製のやかんで湯を沸かした場合どうなると思われますか?
結果は、南部鉄器とはほど遠く、味の改質があまり感じられません。それは何故かというと、南部鉄器=鋳物、鉄のやかん=溶解した鉄という事実が影響しております。鋳物の場合、多孔質で表面積が極めて大きく、それ故に鉄分の溶出量が多いと言われます。それに対し、ただの鉄の場合、表面がツルツルであるため、表面積が異常に小さく、鉄で出来ていながらにして、鉄の溶出量が少ないそうです。
朱泥の場合、実に、鉄瓶に匹敵する鉄分が溶出されるそうです。つまり、表面積がそれだけ大きいということになります。
また、以前実験をしたのですが、無名異焼で意図的に高温で焼成した作品を作って頂きました。赤を通り越して、むしろえんじ色になっておりました。より焼しまっているので表面積は大きいと思いきや、結果は逆でした。高温で焼成した土は、鉄の粒子が溶解し、ガラス化が起きます。つまり、表面積は劇的に減少するため、成分が同じにもかかわらず、鉄の溶出量が減ります。

どの焼き物の産地も、金属質のキーンと言う音を出したいがあまり高温で焼成しがちです。また、赤さを出すためにベンガラを加えるのが日本ではごく当たり前になっております。実際は、やや低めの焼成温度にて、金属音がギリギリ出る程度に焼き上げ、ベンガラ等の融点の低い成分を添加しないようにすることで、更に、急須の性能が上がるとことが最近私がやっている実験で明らかになってきました。
急須の世界はまだまだ奥が深く、私も勉強中です。

最後に木仙氏ですが、彼の腕はA級だと思います。人間国宝こそ逃しましたが、木仙氏の作り出す作品には強い個性が感じられます。常滑の歴史の中でもとびきり有名な作家ですので、急須は是非大切にしてください。私はプロなのでいろいろな視点から批評しますが、木仙氏の急須であれば自分でも欲しいくらいです。

また、機会があれば是非コメントください。これからもよろしくお願いします。
【2009/10/21 01:05】 URL | 北城 彰 (HOJO AKIRA) #- [ 編集]


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